YouTube PremiumでのVPN利用は、違法とはなりません。
VPNの利用は、日本を含む多くの国で合法とされているからです。
YouTube Premiumは、VPNを使ってインド、トルコ、アルゼンチンなどから登録すると、日本で契約するよりも安く利用できます。
そのときによく出てくるのが「VPNを使って安くYouTube Premiumを契約するのは違法では?」という疑問です。
上記のとおり合法ではあるものの、注意点やリスクもあるので、この記事で詳細を解説していきます。
※YouTube Premiumの対応が今後変わる可能性もあるので、あくまでもVPN利用をした契約は自己責任でお願いいたします。
VPNの利用は違法ではない
VPNの利用は、日本では合法とされています。
VPNは、本来は専用仮想回線を経由してインターネットにアクセスするためのもので、その行為自体を違法とする理由はありません。
VPNの利用目的として、YouTube Premiumを安くする使い方以外にも、フリーWi-Fiでの通信を暗号化してセキュリティを高めることがあります。
最近だと、社外から会社内のサーバーにある情報にアクセスする際にもVPNは使われています。
このようにVPN本来の用途を考えれば、それを違法にする理由はないのです。
日本以外でも、欧米を始めとした多くの国でもVPNは合法とされていて、むしろ日本よりも積極的に利用されています。
日本ではVPNの活用は進んでいませんが、海外では利用率が20~30%の国も多くあります。
たとえば、2023年のVPN利用率を見ると、アメリカで31%、イギリスとオーストラリアで32%となっています。
また、VPNサービス自体も公式にYouTubeのブロック解除を訴求しています。
VPNの利用を制限している国はある
日本では合法とされるVPNですが、海外にはVPNの利用に制限をかけている国もあります。
中には利用自体を違法としている国もあります。
たとえば、以下のような国です。
- 中国:認可VPN以外は違法
- ロシア:違法
- ベラルーシ:違法
- トルクメニスタン:違法
- 北朝鮮:違法
- イラク:違法
- イラン:認可VPN以外は違法
- オマーン:違法
- エジプト:制限付きで合法
- トルコ:制限付きで合法
- アラブ首長国連邦:制限付きで合法
このような国でVPNを利用する際には、注意しましょう。
詳しくは、VPNは違法か?合法か?をご覧ください。
YouTube PremiumでのVPN利用も合法、ただし注意点あり
少なくとも、VPNを合法としている国では、VPNを利用してYouTube Premiumにアクセスすることを違法にする理由がありません。
そのため、YouTube PremiumをVPNで安く契約する方法は、日本だけでなく欧米でも広く発信されています。
注意が必要なのはYouTube Premiumの利用規約
VPNの利用自体は合法であっても、YouTube Premium側の利用規約に違反する可能性はあるので要注意です。
YouTube Premiumの利用規約には、以下の項目があります。
2.3 地理的な制限事項
有料サービス、および有料サービスで利用可能な一部のコンテンツは、特定の国でのみ利用できる場合があります。お客様は、ご自身の居住国を偽るために虚偽、不正確、または誤解を招くような情報を提供しないこと、また有料サービスまたは有料サービス内のコンテンツへのアクセスや利用に関する制限の回避を試みないことに同意します。
出典:YouTube 有料サービス利用規約
YouTube Premiumは、この利用規約を理由にして、アカウントを強制的に停止するなどの可能性はゼロではありません。
しかし、これまでのところVPNの利用を理由として、YouTube Premiumのアカウントを削除されたケースはありません。
とはいえ、今後も絶対にないとは言い切れないので、VPNを利用する際には新規にアカウントを作るのが無難です。
現実的には居住国の特定は難しい
VPNを利用した契約は、利用規約の上では規制の対象となる行為ですが、現実的にはその運用は極めて難しいと考えられます。
なぜなら、YouTube Premiumにアクセスしている場所と、実際の居住国を正確に特定することは不可能だからです。
たとえば、VPNを利用しなくても以下のようなケースがあります。
日本在住のAさんは、旅行先のトルコで、ふと思い立ってYouTube Premiumを契約した。
このケースだと、利用規約でいうところの居住国の偽装にあたるのかもしれません。
しかし、以下のようなケースだと、さらに話は複雑です。
トルコ在住のBさんは、在住しているときにYouTube Premiumを契約した。その後、日本に移住して日本で暮らしているが、YouTube Premiumの契約はそのままにしている。
このケースだと、少なくとも契約時点では居住国を偽装していません。
ほかにも、さまざまなケースが考えられるので、YouTubeが現時点で最も合理的だと考えているのが、「今」どこの国のサーバーからアクセスしているかで料金を決める方法なのでしょう。
YouTube Premiumが実施する可能性のある対策
YouTube Premium側の現実的な対応として、VPNの利用自体を規制する方法があります。
YouTube Premium側が、VPNと思われるIPアドレスを検知して、そのIPアドレスからはアクセスできないようにするのです。
実際にあるVPNサービスを使ってYouTube Premiumにアクセスすると、以下のように「YouTube Premiumは、お住まいの国ではご利用いただけません」と表示されます。
この画面は、YouTube PremiumがVPNを検知したときに表示されます。
「お客様の国を確認できません。詳しくはヘルプセンターをご覧ください」と表示されるケースもあります。
ただしVPNプロバイダ側も、このようなブロックには随時対応しているので、現実はYouTube PremiumとVPNプロバイダの双方が、都度対応し合うイタチごっこの状態です。
国内外のVPNプロバイダの社員に話を聞く限りでは、VPNプロバイダ側も日夜ブロックを回避するための方法を模索しているそうです。
ほかにはYouTube Premiumへの決済手段を限定することで、対応する可能性もあるでしょう。
YouTube Premiumを海外から契約する方法【国別】
以上のことをご理解の上で、YouTube Premiumを日本以外から契約したい方は、以下のリンクから手順をご確認ください。
国によって、おすすめのVPNプロバイダが異なるので、ご注意ください。
まとめ
VPNを利用してYouTube Premiumを契約する際の違法性について解説しました。
- VPNの利用は、日本を含めた多くの国で合法とされている。
- YouTube PremiumにアクセスするのにVPNを利用することも合法となる。
- YouTube Premiumの利用規約に抵触する可能性はあるが、これまでVPNの利用を理由としてアカウント削除に至ったケースはない。現実的には規制を強化するのは困難である。
- 今後、VPN経由のアクセスのブロック、決済手段の限定などの対応をとられる可能性が考えられる。