VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)の略で、仮想専用線のことです。
VPNを使うことで、セキュリティが大幅に強化され、第三者やサイバー犯罪者からインターネット通信の安全性やプライバシーを保護できるようになります。
この記事では、このVPNについて、さらに掘り下げて解説していきます。
▼動画でも解説しています▼
VPNの仕組みは?できることは?
VPNを使ってインターネットアクセスすると、そのインターネット通信に対して外部から不正アクセスすることが極めて難しくなります。
機密事項を扱う企業では、社内ネットワークにアクセスするのにVPNが使われています。
個人でも、フリーWi-Fiなどの安全性が脆弱な場所において、インターネットを利用するときのセキュリティ強化に役立つのがVPNです。
通常、インターネットは世界に開かれたオープンなネットワークであるため、悪意を持った第三者から攻撃を受けるリスクがあるなど、セキュリティの面で課題があります。
VPNは、使用する端末とオープンなネットワークとの間にVPNサーバーをつなぎ、端末とVPNサーバーの間の情報通信を暗号化することで、通信セキュリティを高められるのです。
VPNはいつ使う?
VPNを使うのは以下のようなときです。
- フリーWi-Fiなど、セキュリティ対策が不十分なネットワークに接続する場合
- 海外などでインターネット検閲を避けてネットワークに接続する場合
- IPアドレスを変えてサービスを利用する場合
通信を暗号化できるVPNの特徴を考えると、VPNはセキュリティ対策が不十分なネットワークに接続する際に効果を発揮できます。
一方で、通信の暗号化は、インターネット検閲が盛んな国でも有効です。
たとえば、中国のように海外のサービスへのアクセスを禁止している国では、VPNを使って通信を暗号化することで、インターネット検閲をすり抜けられます。
また、VPNを使うと、インターネットプロバイダのIPアドレスではなく、VPNサーバーのIPアドレスでWebサイトにアクセスできるようになります。
このIPアドレスが変わる仕組みは、VPNをお得に使える裏技ともつながる仕組みです。
VPNを使うメリット・デメリットは?
VPNには、インターネット接続のセキュリティ・プライバシー保護を強化できるメリットがあります。
また、先ほど書いたように、VPNにはIPアドレスを変える特徴があることから、Webサービスをお得に使えるメリットが多数あります。
まとめると、VPNを使う場合のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
- インターネット接続のセキュリティ・プライバシー保護を強化できる
- 海外から日本限定のサービスにアクセスできる
- 日本から海外限定のサービスにアクセスできる
- 航空券やホテルを安く予約できる
- YouTube PremiumやNetflixなどのサブスクサービスを安く利用できる
- 利用料がかかる
- 通信速度が落ちる
無料VPNのリスクは?
無料でも有料でも同じように使えるなら、無料VPNのほうがよいと感じるかもしれませんが、無料VPNにはいくつかデメリット・リスクがあります。
- プライバシー保護とセキュリティのレベルが低くなりがち
- 広告表示が邪魔になる
- 通信速度と通信容量の制限がある
- 使えるサーバーが限定される
- 運営者の信頼性と透明性に問題のあるケースがある
有料VPNのメリットは?
有料VPNにはお金がかかるというデメリットはあるものの、世界的な大手のVPNプロバイダを選べば、以下のようなメリットがあります。
- プライバシー保護とセキュリティのレベルが高い
- 通信速度が速くて通信容量も無制限
- サポートとサービスの質が高い
- サーバーの数が多くて設置場所も多様である
- 高度な機能が利用できる
たとえば世界最大手のExpressVPNやNordVPNだと、サーバーによっては速度の低下がほとんど気にならないほど快適に使えます。
さらに、ログをサーバーに残さない仕組みになっていて、暗号化技術は軍事に転用できるほどのレベルなので、プライバシー・セキュリティの面でも安心です。
利用者からお金をとっている分、日々サービスが改善されていて、カスタマーサポートの対応も抜群です。
VPNを使うことは違法・合法?
日本を含むほとんどの国でVPNは合法とされています。
VPNを違法としたり、利用を制限したりする国は、世界の中でも数えるほどしかありません。
法律的に規制されているのは以下の国です。
中国、ロシア、ベラルーシ、トルクメニスタン、北朝鮮、イラク、イラン、オマーン、エジプト、トルコ、アラブ首長国連邦
VPNに関してよくある質問
VPNに関してよくある質問をまとめました。
普段インターネットを使うときは、VPNはオンオフのどちらがよいですか?
インターネット通信をより安全にしたいのであれば、VPNをオンにしたままの方がよいです。
VPNはインターネット通信を暗号化できるため、情報を外部からハッキングするのが非常に困難になるからです。
さらに安全性を高めたい場合は、キルスイッチのあるVPNサービスを使うのがよいでしょう。
キルスイッチとは、VPN接続が切れた瞬間に、インターネット接続も切断する機能です。
もっと詳しく:VPNのキルスイッチとは【キルスイッチの使い方】
VPNを使ってIPアドレスを変えるデメリットはありますか?
VPNを使ってIPアドレスが変わると、特定のサービスを閲覧したり、ログインしたりできなくなることがあります。
IPアドレスによってコンテンツの提供を止めているサービスがあるからです。
たとえば、VPNでアメリカのサーバーに接続して、日本限定のサービスに接続するとブロックされてしまいます。
もっと詳しく:VPN接続すると見れないサイト【はじかれる原因と対策】
逆に、IPアドレスが変わることを利用して、日本では見れない海外限定のコンテンツを見る方法もあります。
VPNはどのくらい利用されていますか?
世界的に見るとVPNの利用率が高い国は多く、海外では利用率が20~30%の国も多くあります。
たとえば、2023年のVPN利用率を見ると、アメリカで31%、イギリスとオーストラリアで32%となっています。
有料VPNにもリスクはありますか?
VPNプロバイダによっては悪意のあるサービスもあるかもしれませんが、名の知れたVPNサービスを使えばセキュリティ上も安心です。
少なくともおすすめの有料VPN5選で紹介している有料VPNサービスなら、セキュリティ上の悪評もなく安心して使えるサービスになっています。
まとめ
以上、VPNについて解説しました。
- VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)、仮想専用線のことで、インターネット通信を暗号化してセキュリティを高める目的で使われる。
- VPNは、フリーWi-Fiなど、セキュリティ対策が不十分なネットワークに接続する場合、海外などでインターネット検閲を避けてネットワークに接続する場合、IPアドレスを変えてサービスを利用する場合によく使われる。
- IPアドレスを変えられる特徴から、国外のコンテンツを視聴したり、サブスクサービスを安く契約したりする際にもVPNを活用できる。
- 無料VPNには、お金がかからないメリットがあるものの、セキュリティ上の懸念が払拭できないため利用はおすすめできない。その点、有料VPNは、お金がかかるものの、セキュリティやサービスの面で安心できる。