VPN用語の中には、一瞬で意味を理解しにくい難解な用語も少なくありません。
ここでは、VPNに関する用語を解説していきます。
キルスイッチ
キルスイッチとは、VPN接続が切られたときに自動的にインターネット接続を切断する機能のことです。
VPNを使う理由の1つがIPアドレスの偽装ですが、何らかの理由でVPN接続が切断されると、発信者のIPアドレスが閲覧しているWebサイト側に公開されてしまいます。
キルスイッチがあると、VPN接続が切れたと同時にインターネット接続も切断するので、接続元のIPアドレスが接続先(Webサイト等)に知られる心配がありません。
ExpressVPNやNordVPNなど、世界的大手のVPNサービスでは、キルスイッチが標準搭載されていて、ユーザーがキルスイッチのON/OFFを選択できるようになっています。
ジオブロック(地域ブロック)
ジオブロックとは、接続元の場所によってWebコンテンツへのアクセスを制限する技術のことです。
一般的に、Webサイト側はIPアドレスによってジオブロックの対象を判断しています。
たとえば、日本限定でコンテンツを提供したいのであれば、接続元のIPアドレスが日本のものだけを限定して、それ以外の国のIPアドレスからはアクセスできないようにします。
VPNによってIPアドレスを偽装する目的の1つが、このジオブロックの解除です。
たとえ日本以外からのアクセスであっても、VPNを使えばまるで日本にいるかのように振る舞えるので、ジオブロックを解除できるのです。
ノーログポリシー
ノーログポリシーとは、ログをVPNサーバーに残さないことに同意するVPNプロバイダーのポリシーのことです。
ログを残さなければ、VPN接続時のインターネット上での行動を一切追跡できなくなります。
特にインターネット上でのプライバシーやセキュリティが重視される局面では、ノーログポリシーは重要なポリシーとなってきます。
ExpressVPNやNordVPNのような大手では、ノーログポリシーが機能していることを示すために、第三者による監査を実施して結果を公開しています。
ブラウザの拡張機能
ブラウザの拡張機能とは、ChromeやEdgeなどのインターネットブラウザに追加機能を提供できるアプリのことです。
拡張機能をインストールすることで、アプリを個別立ち上げることなく、ブラウザ上で追加機能を使えるようになります。
大手のVPNサービスには、VPN接続用の拡張機能を用意しているので、一度拡張機能を入れておけば、アプリの立ち上げなしでVPNを利用できます。
ログ
ログとは、コンピュータ、Webサイト、インターネットサービスプロバイダー、VPNプロバイダーなどによって保持されるインターネット上の行動記録のことです。
ログを見ることで、ユーザーとそのユーザーのインターネット上での行動を追跡できるようになります。
ログはユーザーの追跡を容易にするものですが、インターネットのプライバシー・セキュリティの面では、懸念を引き起こすものでもあります。
AES
AESとは、Advanced Encryption Standard の略で、デバイス間のデータ通信を暗号化するための技術です。
アメリカが政府内の標準的な暗号化規格として策定したもので、実用化されている暗号化規格の中では、強度が高いものになります。
欧州の暗号規格や日本の電子政府推奨暗号リストでも採用されていて、VPN接続でもこのAESが用いられています。
IKEv2
IKEv2とは、Internet Key Exchange version 2の略で、IPsecプロトコル内で暗号化キーを交換するために使用される技術です。
IKEv2は、多くのOSでサポートされています。
IPアドレス
IP アドレスとは、インターネット上の住所のようなものです。
すべてのインターネット接続には独自のIP アドレスがあり、IP アドレスは1桁から3桁の数字を4つ組み合わせて構成されています。
たとえば、192.168.0.1などがIPアドレスの代表例です。
インターネット接続を確立するための識別コードとして使用されていて。IPアドレスを見ることで接続元の場所、ユーザー、インターネットサービスプロバイダーなどの特定につながる手がかりを得られます。
IPアドレスはインターネット通信に必要不可欠なものである一方で、漏洩してしまうことでプライバシーを侵害されるリスクがあるものです。
VPNを利用することで、このIPアドレスを隠せる(偽装できる)ようになります。
IPリーク
IPリークとは、VPNを使用しているにもかかわらず、ユーザーの実際のIPアドレスが外部に漏洩する状態のことです。
IPアドレスを隠すために使うVPNにおいて、IPリークが起こってしまうとVPNプロバイダーとしての信用が大きく傷つくことになるでしょう。
一部の無料VPNでは、IPリークの問題が指摘されています。
IPv4
IPv4とは、Internet Protocol version 4 の略で、現在のIPアドレスのデフォルトとなっているシステムです。
近年のインターネット通信の成長により、IPv4のアドレスは残りが限られてきています。
IPv6
IPv6とは、IPv4の後継となるプロトコルです。
IPv6では、128ビットのIPアドレスを作成するので、「2の128乗」個のIPのアドレスを生成できるようになっています。
「2の128乗」個とは、1兆の1兆倍をさらに1兆倍した数よりも大きな数字なので、膨大な数のIPアドレスが生成できることになるのです。
まだIPv4ほど一般的ではありませんが、IPv4よりもシンプルで高速なのが特徴です。
IPsec
IPsecとは、Internet Protocol Securityの略で、インターネット経由で送信するデータの暗号化と認証に使用されるセキュリティプロトコルのことです。
IPsecは、エンドツーエンドの暗号化にも利用されています。
L2TP
L2TPとは、Layer 2 Tunneling Protocolの略で、データの暗号化と認証のためのVPNセキュリティプロトコルです。
L2TPは、単独ではVPN接続を確立できないため、IPsecと組み合わせて「L2TP/IPsec」として使用されます。
この2 つのプロトコルを組み合わせることで、強力で安全なVPNプロトコルが得られるようになります。
OpenVPN
OpenVPNとは、オープンソースのVPN プロトコルのことで、暗号化されたVPN接続の確立によく使用されます。
OpenVPNは、最も安全なVPNプロトコルの 1つと考えられています。
PPTP
PPTPとは、Ponit to Point Tunneling Protocolの略で、VPNプロトコルの一種です。
近年では、古いプロトコルだとされていて、一般的には安全でないとものとして認識されています。
VPN
VPNとは、Virtual Private Networkの略で、公開されたネットワーク内にプライベート なネットワークを作るために使用されます。
VPN接続をすることで、すべてのデータ通信を暗号化できるので、第三者からは交換された情報を読み取れません。
VPN利用の主目的は、インターネット上のプライバシーとセキュリティを強化することです。
しかし、IPアドレスを偽装できる特徴により、VPNにはお得な使い方があることでも知られています。
VPNクライアント
VPN クライアントとは、ユーザーがVPNサービスに接続するためのソフトウェアやアプリのことです。
VPNクライアントには、一般公開されているものと、VPNプロバイダーが専用で提供しているものがあります。
VPNプロバイダーが提供しているVPNクライアントには、高速サーバーへの自動接続や、キルスイッチなどの追加機能が備えられています。
VPN サーバー
VPN サーバーとは、VPNプロバイダーによって提供されるサーバーのことです。
VPN接続をすると、VPNサーバーがWebサイトとVPNユーザーの間に入り、データのやりとりをするようになります。
VPN プロトコル
VPNプロトコルとは、安全なVPN接続を確立するために使用される暗号化・認証のタイプのことです。
VPNプロトコルには多種多様なものがありますが。最もよく知られているプロトコルとしては、OpenVPN、PPTP、L2TPなどがあります。