Google One VPNは、Pixel7以降のユーザーが無償で使えるセキュリティ確保や通信速度にも優れたVPNです。一方で、ジオブロックの解除を含めた裏技的な使い方ができないこともあり、一般的なVPNの用途として考えると物足りないVPNともいえます。
- 基本的なVPNとしてセキュリティは確保できる
- Google Pixel7以降ユーザーなら無料で利用できる
- 通信速度が速い
- 簡単にVPN接続ができる
- ジオブロック解除(ネット検閲回避)には適さない(中国でも使えない)
- VPNをONにすると接続できないサイトがある
- Google Pixelユーザー以外は使えない
この記事では、Google One VPNのメリット・デメリットを踏まえて、どのような人におすすめなのかを解説していきます。
なお、ジオブロックを解除したり、サブスクを安く見たりするなら、以下のようなVPNを専業とする会社のVPNサービスがおすすめです。
- ExpressVPN:高速通信でアプリの操作性に優れた世界最大手のVPN
- NordVPN:価格・使い勝手のバランスがとれた大手VPN
Google One VPNとは?
Google One VPNとは、Googleドライブの拡張サービスであるGoogle Oneに付帯しているVPNサービスのことです。
Google Oneにすることで、「Googleドライブ」「Gmail」「Googleフォト」など、Googleが提供しているサービス全体で使える保存容量を増やせます。
Google Oneは、最大5人までの家族とストレージを共有できることも特徴です。
Google Oneには以下のような有料プランがあり、どのプランでもVPNを利用できます。
プラン | 金額 |
---|---|
ベーシック100GB | 250円/月(年間プランだと2,500円/年) |
スタンダード200GB | 380円/月(年間プランだと3,800円/年) |
プレミアム2TB | 1,300円/月(年間プランだと13,000円/年) |
プレミアム5TB | 3,250円/月(年間プランだと32,500円/年) |
また、Google Pixel 7以降のPixelシリーズを持っているユーザーは、無償でGoogle One VPNを利用可能です。
Googleは「Google One VPN の提供を2024年6月10日に終了する」と発表しています。今後はGoogle Pixel 7 以降の新しいモデルを利用する場合のみ、引き続きGoogle Pixel の設定から Google の VPN にアクセス可能となります。
Google One VPNで何ができる?
VPNとは、バーチャル・プライベート・ネットワーク(Virtual Private Network)の略で、仮想専用線のことです。
Google One VPNを使うことで、セキュリティが大幅に強化され、第三者やサイバー犯罪者からインターネット通信の安全性やプライバシーを保護できるようになります。
たとえば、フリーWi-Fiを使ってクレジットカード決済などをすると、情報を盗み取られて悪用されるケースがあります。
VPNを使うことで通信内容を暗号化できるので、外部からのハッキングリスクを大幅に減らせるようになります。
もっと詳しく:VPNとは?【できることは?いつ使う?使った方がよい?】
Google One VPNのメリット
Google One VPNのメリットは、以下4つです。
- 基本的なVPNとしてセキュリティは確保できる
- Google Pixel7以降のユーザーなら無料で利用できる
- 通信速度が速い
- 簡単にVPN接続ができる
それぞれ詳細を解説していきます。
基本的なVPNとしてセキュリティは確保できる
GoogleはVPNに、Advanced Encryption Standard (AES)という暗号化技術を活用しています。
AESは、大手VPNサービスも利用している暗号化技術なので、Google One VPNは、VPNとしての基本的なセキュリティレベルは確保できていると考えられます。
Google Pixel7以降ユーザーなら無料で利用できる
GoogleのVPNは、Pixelユーザーであれば無料で利用可能です。
VPN専門のサービスを利用すると、以下のように有料となってしまいますが、GoogleのVPNは無料なので金額面では安心して利用できます。
Google One VPN | 208円/月(年間プランの場合) |
---|---|
ExpressVPN | 734円/月(1年プランの場合) |
NordVPN | 439円/月(2年プランの場合) |
ですので、セキュリティ強化を目的にVPNを利用するなら、GoogleのVPN機能はとても便利といえるでしょう。
ただし、GoogleのVPNには、VPN専業サービスにはないデメリットがあります。
通信速度が速い
Google One VPNは通信速度も快適です。
実際にVPN接続前にダウンロード時の通信速度が45Mbpsだった回線で、他のVPNと比較すると以下のようになります。(いずれも日本のVPNサーバーで比較)
Google One VPN | 43Mbps |
---|---|
ExpressVPN | 44Mbps |
NordVPN | 41Mbps |
業界トップクラスを誇るExpressVPNと同程度の通信速度を誇っていて、VPN接続でよくありがちな接続スピードの低下は見られませんでした。
簡単にVPN接続ができる
Google One VPNの使い方は、極めてシンプルです。
スマホの場合、Google Oneアプリをダウンロードして、トップ画面のメニューから「VPN」を選択します。
「VPNを有効にする」の右にあるチェックをONにすればVPN接続を完了できます。
ダウンロードからVPN接続まで2-3分で完了できます。
PCの場合もインストール用のファイルをダウンロードしてインストールすれば、2-3分で使えるようになります。
2024年6月10日にGoogle OneアプリでのVPN機能の提供は終了することが発表されています。
Google One VPNのデメリット
Google One VPNのデメリットは、以下3つです。
- ジオブロック解除(ネット検閲回避)には適さない
- VPNをONにすると接続できないサイトがある
- Google Pixelユーザー以外は使えない
それぞれ詳細を解説していきます。
ジオブロック解除(ネット検閲回避)には適さない
Google One VPNは、ジオブロックの解除には適していません。
Google One VPNを使ってやれることは、VPNのON/OFFだけで、接続先のサーバーが国までは選べないからです。
実際に日本で使ってみると、自動的に日本のVPNサーバーに接続されました。
同様にアメリカで使うと、自動的にアメリカのサーバーに接続されてます。
Google One VPNは、ユーザーの利便性を損なうことがないように、今住んでいる地域にできる限り近いVPNサーバーに自動的に接続する仕様になっているからです。
しかしこの仕様だと、他のVPNサービスで可能となるジオブロック解除やネット検閲回避はできません。
ジオブロックが解除できないと、他のVPNサービスでは可能となる以下のようなことができなくなります。
ジオブロック解除を目的にVPNを使うなら、Google One VPN以外の有料VPNをご検討ください。
VPNをONにすると接続できないサイトがある
ジオブロックを解除できないばかりか、むしろ普段使えているサイトにアクセスできないケースもあります。
たとえばメルカリです。
Google One VPNをONにしたまま、メルカリにログインしようとすると正しいアドレスとパスワードを入れても「メールアドレスまたはパスワードが違います」と表示されて、ログインできません。
他にもネット上には以下のような声がありました。
楽天Edyアプリが通信エラーでチャージやポイント参照ができなくなった。
— 植野健一 (@team_ueno) January 18, 2023
Webに解決策はなく「バグ?」とあきらめるほかないかと思ったけれど、Google OneサービスのVPNをオフにしたところ使用できるようになった。
ExpressVPNなどの専業プロバイダなら、日本のVPNサーバーに接続していれば、基本的に日本のサイトへのアクセス可能です。
Google Pixelユーザー以外は使えない
Google OneのVPNは、Google Pixel7以降のユーザー専用の機能です。
したがって、Google Pixelを持っていないユーザーは利用できません。
専門サービスのVPNであれば、PC、タブレット、スマホなどの端末を問わずに使えますが、GoogleのVPNは利用できる人が限定されてしまうのです。
Google One VPNがおすすめの人
メリット・デメリットを踏まえると、Google One VPNがおすすめの人は以下のような人です。
- Google Oneの有料プランを活用するつもりがある人
- VPNの利用目的がセキュリティの確保だけの人
Google One VPNは、あくまで100GB以上の有料プランを契約した人が、セキュリティ目的でのみ活用するためのVPNという位置づけです。
一方でジオブロックを解除して、国外のWebサイトやコンテンツを閲覧したい人は、ExpressVPNなどのVPN専業プロパイダのサービスを活用しましょう。
FAQ:よくある質問
Google One VPNに関して、よくある質問です。
GoogleドライブとGoogle Oneの違いは何ですか?
Googleドライブは、無料で15GBの容量があるクラウドストレージサービスです。
Google Oneは、そのGoogleドライブの拡張有料版で、より多くの保存容量を提供しています。
この中の100GB以上の有料プランを選択することで、Google One VPNが利用できるようになります。
Google One VPNは簡単に使えますか?
Google Oneのアプリで簡単に接続可能です。
Google OneのアプリをスマホやPCにダウンロードし、VPNのボックスを選んで接続をONにするだけです。
Google One VPNが使える国はどこですか?
Google One VPNが使えるのは、以下の国です。
オーストリア、オーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、アイスランド、アイルランド、イタリア、日本、メキシコ、オランダ、ノルウェー、韓国、スペイン、スウェーデン、スイス、台湾、英国、米国
Google One VPNは中国でも使えますか?
中国では使えません。
中国でのVPN利用を考えている方は、12vpnやExpressVPNなど、中国でおすすめのVPNをご覧ください。
Google One VPN以外のおすすめVPNはどれですか?
この記事で紹介している、ExpressVPN、NordVPNなどがおすすめです。
それぞれの詳細は、以下のリンク先にまとめているので、あわせてご覧ください。
まとめ
以上、Google One VPNのメリット・デメリットでした。
メリット | デメリット |
---|---|
基本的なVPNとしてセキュリティは確保できる Google Pixel7以降のユーザーなら無料で利用できる 通信速度が速い 簡単にVPN接続ができる | ジオブロック解除(ネット検閲回避)には適さない(中国でも使えない) VPNをONにすると接続できないサイトがある Google Pixelユーザー以外は使えない |
ジオブロックの解除によってよりお得にVPNを使いたいなら、Google One VPNよりも手軽で安い以下のようなVPNの利用をおすすめします。
- ExpressVPN:高速通信でアプリの操作性に優れた世界最大手のVPN
- NordVPN:価格・使い勝手のバランスがとれた大手VPN